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 先週の未勝利戦で権利を取ることができなかったため、ラディーアが引退し今後は繁殖牝馬となることが発表されました。最近は権利を取れずに勝ち上がれなかった馬たちが、牡馬も牝馬も関係なくサラブレッドオークションに出されていることが多かったので、直接繁殖入りすることになったのは、ある意味では良かったと思うし、その一方でまだまだ走る姿を見たかったなと思う気持ちもあります。まぁこの辺りの気持ちはどんな結果になろうと、100%納得することはないので、良い妥協点ではないかなと思います。

この馬から学ぶことはとても多かったと思います。一口馬主をやっていると常に「どの募集馬にどのタイミングで出資するか」を様々な要素から考えてしまいます。それは馬体であったり、血統であったり、厩舎であったり…もっと細かく見ていけば育成牧場がどこか?とか、測尺であるとか、育成牧場での調教の進度や動きであるとか、入厩予定の厩舎がどんな調教をする厩舎であるとか…その他にも人によって様々にあると思います。

僕は誤解を恐れずに言うと「この馬に出資したのは失敗したかもしれない」と思ったことが2度あります。1度目はPOGシーズンに媒体に載った写真を見てそう思いました。私が一口馬主を始めたのは現4歳世代なのですが、その年の募集馬で強烈に印象に残っているのは、阪神JFを制したローブティサージュではなく、小倉大賞典を制したラストインパクトでも、オープンクラスで他馬と戦ってきたフラムドグロワールやインプロヴァイズ、サムソンズプライドでもなく、ラディーアの姉のラトーナでした。ラトーナは父がDansiliでデインヒル系特有のマッチョな体型の馬でした。函館の新馬戦を万全の状態でもないにも関わらず逃げ切ったのが、今でも印象に残っています。このラトーナの強烈なイメージがラディーアに対する妄想を膨らませました。ラディーアの募集開始時の測尺は体高156cm、胸囲175.5cm、管囲20cm、馬体重404kgでした。この測尺を見た当時の僕は「姉がああいう馬で、この馬にもデカくなる要素があるんだから、このサイズでも大丈夫だ。」という大きな思い違いをしました。「ここのトモのところに肉が付けば…」とか「ここからこうなれば…」という願望が、きっとそうなるかのように思い出資をしてしまったんですね。POGシーズンに他の馬たちとは比較にならないほど見劣りする馬体が雑誌に掲載されていたときに、失敗したかもしれないと感じました。2度目は新馬戦です。新馬戦の前には坂路でそれなりの時計を出していたことや、血統背景も手伝って、多少注目を集めていたのですが、僕は半信半疑でした。それは坂路のタイムがラスト1ハロンで伸びきることができない事でした。「トモの力が足りないんじゃないか…」と僕の中では思っていながらのデビュー戦でした。結果は6着でそう悪くないようにも見えますが、最後も伸びることなく終わったところを見て悪い意味で予想が的中したと同時に、これは未勝利戦までに力をつけていくことができるのか…?と思いました。悪い方の想像というのは当たるんですよね。

ここまでマイナスのことを書いてしまいましたが、僕はこの馬が本当に好きでした。順位をつけるのは望ましくないと思いますが、この世代に出資した3頭の中ではダントツに好きでしたし、だからこそ勝ち上がって欲しいと思っていました。 上の写真は去年の11月にNFしがらきに行った時に撮った写真ですが、とても綺麗な顔をしていて可愛らしく、僕の顔を舐めてくるほど愛嬌のある馬でした。叶わぬ事となってしまいましたが、その時には「来年もここで再会したい」と思っていました。 幸いにもこの馬は繁殖入りをすることが出来ました。一番最初の出資馬であるグローバルフライトは繁殖入りをすることができませんでしたからね。ラディーアもグローバルフライトも共にもまれると駄目な馬で、グローバルフライトが鼻出血で引退した時には「1度でいいから逃げてレースをして欲しかった」「惨敗続きでもいいから無事に最後の未勝利戦まで走りぬいて欲しかった」と感じていました。なのでラディーアの8月30日小倉2600mのレースは逃げて、次のチャンスにつなぎ、かつ今までで一番良い競馬をしてくれたことに感動しましたし、ラストランもレース直後は悲しかったですが、最後まで走ってくれたことに感謝しています。ノーザンファームで繁殖入りするかわからないですが、もしそうであるなら厳しいかもしれないですが子供をシルクで募集して欲しいと思っています。この馬に出資できたことは財産であったと思います。お疲れ様でした。