世間はコロナで大変ですがPOGの取材も行われているようですし、そんなこんなで2016年世代の最終的に勝ち上がれた馬、勝ち上がれなかった馬が分かれました。毎年恒例(というか2年連続)になりますが、2016年世代の勝ち上がれなかった馬について振り返りたいと思います。

ワンダーワーク(父トランセンド 母シーダーアラジ 栗東・浜田多実雄厩舎)
ワンダーワーク
募集価格は600万円でした。この馬とアドレでユニオンに入会しました。この頃はファンディーナの皐月賞の後で「結果よりも自分の好きな馬で」と思っていたのと、応援していた藤田伸二騎手が道営の騎手免許にチャレンジとなった時で、ヒルノダムール産駒のアドレとトランセンド産駒のこの馬に出資したのはこの頃の自分を表していて凄く良い出資だなと思っています。頗る順調に進んでいてBTCでの育成も早い組で進み、それとともに馬体もどんどん良化していきました。ここまで良化したと感じるのはグランシルク以来だったので、この世代で一番期待をしていたのはこの馬でした。

歯車が狂ったのは入厩して最初の時計を出した時。CWコース6Fでの追切で88.3秒、ラスト1ハロンに至っては18秒3という時計での追切となりました。体力不足と気の悪さが出たという話で再放牧されると外厩先では脚が腫れ、それが治まると動き的には問題ないとのことで再入厩。ところがまたしても最初の追切でCWコース6Fを90.9秒のラスト1ハロン15.1秒という時計でバタバタとなってしまい、再度外厩に出された後に両前脚の屈腱炎が確認されました。厩舎も外厩も悪いところはまったくないと思っていますが、期待していただけに本当に残念でしたね。何が順調というかわからないのですが、順調に競馬場で姿が見たい馬でした。入厩まで至った出資馬が全頭競馬場にたどり着いていただけに、当たり前ではないと気が付かされた馬でしたね。

フロントライン(父エスポワールシチー 母コールドフロント 美浦・小笠倫弘厩舎)
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募集価格は1600万円でした。2017年オータムセールでノーザンファームが購入し(購入額は1242万円)シルクの追加募集で提供された馬でした。身体は良いものを持っているのは写真を見てもわかると思いますが、ウォーキング時に前脚がクロスする上に曲がっているという難点があるのも感じていました。同じく前脚に難があったスペシャルギフトに似ているなぁ…と感じていたのと、坂路でのフットワークには問題を感じなかったので出資。身体を持て余すタイプだと思ったので、遅いデビューだろうと思っていましたが、4月には小笠厩舎に入厩しました。しかしフレグモーネでゲートをパス出来ないうちに天栄に出されると、6月にはトモの跛行で再度北海道へ戻されることに。そこから立て直しをされ結果デビューは年明け2月でした。

デビュー戦は久々に1倍台の1番人気で出走となったのも思い出に残っています。この馬の中で一番印象に残っているのは2走目の鞍上が大塚海渡騎手になったこと。この馬での経験を経て、ルーキーの初勝利が自分の出資馬であれば良いなと思うようになりました。絶対勝ち上がれると思ったのですが、このレース後またしても跛行、7月まで調整されるも屈腱炎を発症し引退が決まりました。怪我のリスクを抱えて出資した馬でしたのでしょうがないという気持ちもありましたが、馬体的に素晴らしいものがあったし、レースを見た上で勝ち上がれると思えた馬なので残念でしたね。同世代のグロリアスホープはじっくり育成され1月にデビューしその後年間11走したのを見ると、やっぱり健康な馬は大事だなと思いました。

マーガレットリバー(父タイキシャトル 母オージーカンパニー 栗東・藤岡健一厩舎)
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募集価格は2000万円でした。この馬で自分はワラウカドに入会しました。一口初年度にシルクエドワーズに出資していて、同じタイキシャトル産駒でのリベンジというのも密かに思っていたことです。いわゆる緩い馬だったので、デビューからの数戦は結果が出ずというレースが続いていました。緩いから無理しなかったと言われたこともありましたね。それくらいネジがハマって来なかったし、それが最後まで響いきました。

出資馬の中では初めて地方転出で中央復帰を目指した馬でした。引退時にも書きましたが、地方で勝ち上がるのは難しいと感じましたね。過去の出資馬ではグロリアストレイルやエレガントソングが同じような感じでしたね。中央で勝ち上がるのは運が必要、しかし5着以内には入ってくることがあるため中央でタイムリミットまで使うことができる。こういう馬は地方転出の頃には余力がありません。地方に転出後にもう一段階成長できるような馬じゃないと難しいというのが実感としてあります。(そもそも中央に戻って1勝クラスを戦うわけですし)とは言えマーガレットリバーはいつも全力で走ってくれました。たまたま阪神に居て現地で見たレースでは見せ場を作って楽しませてくれました。今は高知で頑張ってるので陰ながら応援をしています。

カプラン(父タイムパラドックス 母アリオーン 大井・栗田裕光厩舎)
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募集価格は800万円でした。この馬は最近感想を書いた馬なのでそちらにすべて書いてあります。金沢競馬に移籍し初戦を勝利しました。待望の初勝利を挙げられて本当に良かったと思っています。自分の出資馬としてそれなりのレースを走りましたが、今でもこの馬が能力のない馬なのか、それとも運が悪い馬なのかわからない。もちろん自分は能力を見込んで出資をしていますから、能力がある馬だったと思いたいのですが、でも力を発揮できないレースが続き、実際ファンドが解散となりました。これって例えば南関東のC3クラスを勝っていても同じことで、結局は地方競馬の競争形態を何も知らないんだなと感じました。何の知識もなく南関東のクラシックに出れる馬だなんて言うのは本当にリスペクトのないことだったと思います。手元を離れたカプランは移籍初戦で勝った。これだけが事実。プレゼントで当たったカプランのゼッケンを見ながらそのことを絶対忘れないと改めて思いました。これは本当に何かの縁だと思うし、南関東競馬にリベンジしたいと思いました。力をつけてリベンジします。そう思わせてくれたカプランの馬生が輝くように祈っています。

この世代は出資した頭数が一番多かった世代でした。そのうち3頭が勝ち上がったのですが、アドレの2勝クラスが稼ぎ頭と考えると良い結果ではないでしょう。上でも書きましたが一口馬主への熱が若干低下していた時期からファンディーナの登場で再加熱、とは言えとにかく勝ち馬をというよりは自分の好きな物の過程を見守りたいという世代で、ある意味この結果も然るべしと思います。勝つことから逆算して出資馬を選定のは味気ないと感じていたのですが、好きなものに対するこだわりだけで結果を出すのも難しい。じゃあどうするべきかと言うと常にアンテナ張って勉強するしかないんですよね。自分はそれなりに走る馬がわかってきたように思うし(この結果で言うのもどうかと思うけど)、好きなものとのバランス感覚も定まってきたので自信を持って見ていようと思いました。

勝ち負けと思っている馬が出走する一週間の感覚って、ずっと親しんできたサッカーの試合前に似てると思ったんです。一週間、週末の試合に向けて練習して、活躍する自分を想像して、ボールが蹴りたいとウズウズする。当日が来て試合前にアップをしていると相手チームの選手たちが出てくる。「おぉ…手強そうだな…」となんとなく怖気づく。緊張する。試合がしたかった自分が嘘のように恐怖心に襲われる。「良いプレーができないんじゃないか…」と自信がなくなる感覚。出資馬のレースが発走した後はもう違う世界線だと感じるんですよね。出資馬が勝った時は素晴らしい世界線だと感じる。ゴールを決めた自分のように勝ち取った世界線に感じるんです。もちろん出資馬に対して何の貢献もしていませんが。次の世界線が変わる瞬間を待っています。でも変えられなかった馬たちのこともたまには思い出してということで今回の記事。長々書いて申し訳ないですが、お時間あれば下記も読んでください。