今週デビュー予定だったアステリアですが、怪我のために引退となりました。
1001

和田正一郎調教師
「先週半ばに左膝に腫れが出てきて、それに伴い歩様が乱れてしまったことから、レントゲン検査を行ったところ、骨に異常は見つかりませんでした。獣医とも相談をして少し休ませてどうなるか経過を観察することとなり、先週末は時計を出さずに楽をさせていました。しかし、今週に入っても歩様が安定しなかったことから、再度レントゲン検査を行ったところ、左前第三手根骨の剥離骨折が確認されて全治6ヶ月の診断が下りました。ここまで脚元の弱さと向き合いつつ、何とかデビューさせたいという想いで進めてきたのですが、叶わずに大変申し訳ございません」



和田厩舎及びノーザンファーム関係者の方たちが脚下の弱さと向き合ってきたのは紛れもない事実です。昨年の一連のコメントを振りかえってみましょう。

2019.05.24 
担当者「この中間も右前の出に硬さがありましたので、無理をさせずペースを落として調教を行っていました。しかし、22日の運動後の歩様が普段よりも悪く、跛行したことからレントゲン検査を行ったところ、右第三手根骨の骨折が判明しました。そして、24日に社台ホースクリニックの都合がついたことから、右前膝部分の関節鏡手術を行っています。また、その際にクリーニングの処置を行いました。程度としてはそこまで酷くはありませんので、今後は経過が順調であれば2か月後を目途に、トレッドミルでの運動を開始する予定にしています」

2019.09.20 
担当者「この中間は経過を確認すべく、改めてレントゲン検査を行った結果、右肘にボーンシストの所見が認められ、筋肉痛では無くそれが跛行の原因ではないかと疑っているところです。ただ、レントゲン上の所見があっても症状に直結しない場合もあり、少し休養を挟んだことにより、ダクをしないと分からない程度まで歩様が良化していることから、それが原因だと断定するには至っていない状況です。引き続き、ウォーキングマシンでの軽めの運動に留めて静養に努めるとともに、定期的に獣医に診てもらいながら状態の見極めを行う方針です。馬体重は500kgです」

昨年の春までは順調に進んでいましたが骨折。その後再度立ちあげる段階でボーンシストの兆候が見られました。過去に書いたブログに「もう一回同じようなアクシデントが発生した時には…」と書いているように、ここまでの経過はかなりキワキワの綱渡りのようなものだったと思います。今回骨折したアクシデント、改めて確認すると昨年骨折した逆側ですね。かなり早くから乗り込まれて結構順調に推移してきたんですが、「トモが弱いからも少し乗り込みたい」というコメントが出てその翌週に最初の骨折でした。トモが使えないので前脚に負担がかかっていたんでしょう。

なんとか脚が悪くならないように…とあまり攻めることもできなかった。一度入厩した際に和田調教師から「トモが弱くて…」というコメントが出たときにはやっぱり…という感じでしたね。でもなんとかデビューさせたいというのは伝わりました。ネット競馬とかを見ると給付金がどうとか確かにそういうことも事実なのかもしれませんが、この馬をデビューさせたいと努力してくれていたのは事実だと思っています。普通だったらもっと前に引退しておかしくないと思っているので。

だからこそ一度でも走る姿が見たかったですね。正直な話勝ち上がれるかどうかなんてもう別問題。パドックで歩く姿が見られれば良いし、競馬場で無事に走り終えれば良かった。レースに向けた一週前の強度の強い追切まではなんとか来れた…だからこそ一度走ってほしかったなぁと。未出走で引退した馬は全頭そう思うのですが、やっぱり走る姿を想像して出資しているので。それだけが残念。今後はサラブレッドオークションの繁殖部門に上場されるようです。無事に命あって繁殖にいけるなら良かったと思います。思い入れある一族なのでまたどこかで巡り会えたら。この馬のために努力をしてくれた担当者の方たちや、ボロボロになりながらも頑張ってくれたアステリアには敬意を表します。