ほんまもんの与太話です。

先日、たまたま家にいたタイミングでインターホンがなりました。次からは気を付けようと思ったんですが、モニターで応対するのが面倒くさくてダイレクトでドアから出ました。そしたら保険の営業さんが、”その家の家族構成と世帯の保険加入状況の確認”を挨拶と称してやる活動をしていました。自分は前職でそんなことをやっていたこともあったので「このアンケートも成績の1つになるんだろうなぁ」と思って自分の加入状況を伝えました。その人は6月に入社したばかりで大分遠い地域から来たようで、正直あんまり知識もないんだろうと思う感じの人でした。大変な気持ちは理解すれど、自分の既存生命系の保険商品以上のものが存在しないことも良く知っているので、絶対に対面のみじゃ加入できないような病気を偽って適当に流したのですが、毎日付近を回っているそうで確認して明日も来るという返答。

かなりめんどくさいなと思いながらも、大体は営業さんが持っているタブレットである程度の項目を入力すると加入できるかどうかの診断ができるものがあるので、どうせ知識ないだろうから進めていけば加入不可になるから時間もかからんだろうと思っていました。そして営業さんが来たので早速やろうとしたら「お客様の病気はタブレット上だと加入不可なので、明日病院で検査をお願いします」という一言。いや俺そもそも今加入しているって言ってるよね?俺から入りたいって言ったわけじゃないぜ?と思いながらも、そういう話に持ち込んで引けない気持ちも理解できるのではっきり断った後に、実際そこの会社のノルマとかってどんな感じなの?と聞くと、ほんとかどうかわかりませんが”2か月契約が取れないと強制退社”で、1か月がちょうど過ぎたところだということでした。多分これを読んでいる人はそんな会社辞めりゃいいじゃんと感じると思いますが、保険の営業ってやっていると契約が取れないと人生終わるんじゃないかなくらいのことは感じるんですよね。

自分がどんなに”こいつはただのお客さんで、俺の人生に関わりない人間だ”と思っても、営業で断られるのって傷つきますよね。この間あちこちオードリーで星野源が話していた「バラエティ番組で腐されて落ち込む」というのに似ていると思いました。自分は例え契約ができたとしても果たしてこの契約はあの人にとって最適なものだったのか、口が上手く進んでまとまったけどそれでよかったのかを考えてしまう人間でした。自分は牛乳を売るしかできないのに、牛乳以外のものを売る手段が何一つないのに、その人が牛乳を買ってくれているのに、その人は牛乳がほんとに好きなのかな?と考えてしまいます。断られても傷つくのに無事に契約がまとまってもなんだかモヤモヤする。上司が褒めてくれても「それって商品を褒めているんだよね?」と思ってしまう。でもそれを毎日やっていると起きているときはもちろん寝ている時も夢で営業している光景が思い浮かぶんですよね。だから他のことを考えている余裕が無くて文字通り地獄でした。

断った後に地獄みたいな表情をしていたのもありましたが、ちょうど自分は個人年金保険を探していたので、そういうのがあれば加入するよ(どこの商品も大して変わらないので)というと、心底嬉しそうな顔をしていて逆に恥ずかしくなりました。自分も苦しくてギリギリの時に半ばお願いで加入してくれた時にお客さんの前で胸が一杯な気持ちになったことが何度かあります。(終わって帰る時に情けないなと思って泣きそうになるのですが)自分のお客さんは結構高齢の方が多くて、もしかしたらもうこの世にはいないのかななんて思いながら、それでもたまに思い出してあの時はありがたかったなと思います。自分がそういう存在になりたいわけじゃないですが、別のものを探しているタイミングと生まれて初めての保険の勧誘だったので、そういう縁だったんだと思います。そういう縁を探すように頑張るしかないよと思いながら、その後毎日ポストにお菓子と名刺が入っていたので、特別な利益の提供に当たらないように気を付けてねとメッセージと送ったので、しばらく来ないことを願っています。